突合せ溶接式管継ぎ手、チタン・ニッケルなどの特殊金属加工、電解研磨、キャニスターなら富士アセチレン工業へ 配管用継手 EPタンク・EP容器 その他金属加工品 薬品 家庭用プロパンガス・住宅設備 医療用ガス設備 溶接材料・鋼材

フジアセクリーン FE-17 ステンレス鋼スケール除去剤

オーステナイト系(クロム・ニッケル組織)ステンレス鋼の溶接作業及び熱処理作業により生じたスケールを常温処理剤です。耐酸性の槽に原液(FE-17)を水で3~5倍液に希釈し、その中にワークを沈めて酸洗を行います。フジアセクリーンFE-17を使用したステンレス鋼の酸洗には、浸漬処理法及びFE-16YとFE-17の混合使用による塗布処理法の2種類があります。



性状

  • 硝酸及び弗酸を特別に配合した毒劇物です。
  • ほとんど透明な液体です。
  • 吸湿性が強く空気中で発煙します。
  • 水に任意の割合で簡単に希釈出来ます。

主成分

品名 硝酸% 弗化水素酸% 比重(液温20℃)
FE-17 53.8 8.0 1.34

浸漬処理法

処理物(オーステナイト系ステンレス鋼)を槽に浸漬してスケールを除去する方法です。

  1. 浸漬槽は、樹脂製品等(金属不可)耐酸槽を使用して下さい。但し、年数劣化による耐用不足には十分注意して下さい。
  2. フジアセクリーンFE-17を水で重量比3倍以上に希釈し撹拌して下さい。処理液の調製は処理時間とスケールの状態により3〜5倍に希釈して使用します。(3倍以下の使用では効果が有りません。)
  3. 希釈液が出来ましたら処理物を浸漬して下さい。
  4. 処理液に浸漬し10〜20分経過後、耐酸性ブラシ(鉄線ブラシ不可)やスポンジ等を用いてこすりながら十分流水で水洗いして下さい。
  5. 冬季に液温が低いときは温水又はヒーター等で30℃位に温度調製すると、処理時間を短縮できます。

(例)重量建浴・・・100kgの場合


FE-17
3倍液 33.3kg 66.7kg
4倍液 25.0kg 75.0kg
5倍液 20.0kg 80.0kg

(例)重量建浴・・・100ℓの場合


FE-17
3倍液 26.6ℓ 73.4ℓ
4倍液 19.5ℓ 80.5ℓ
5倍液 15.3ℓ 84.7ℓ

特徴

  • 常温にて浸漬処理ができます。
  • 処理液の老化が王水系の酸に比べ極めて遅く、従って経済的です。
  • 処理液は悪臭・発煙・揮発性が少なく不燃性です。
  • 作業能率・効果が王水系の酸に比べ極めて良好です。
  • 表面処理が完全で製品の仕上りは常に均一です。

荷姿

  • 25kg・10kg各ポリエチレン容器入
  • 0.5kg ポリエチレン容器、12本入(ダンボール箱包装) 

保管

密栓してなるべく冷暗所でカギをかけて保管して下さい。

容器使用期限は、購入後1年以内とする。


作業上の注意事項

  • フジアセクリーンFE-17は硝酸及び弗酸を含有する毒劇物ですから従来の王水系酸類の取扱いと同様、ゴーグル型保護眼鏡・酸性ガス用防毒マスク・ゴム前掛け・耐酸性ゴム手袋並びにゴム長靴等の保護具を着用して処理液やガスが侵入しない様に注意して作業に従事して下さい。特に通風の悪いところで使用する場合は送風マスクや酸性ガス用防毒マスクを必ず着用して下さい。
  • FE-17の容器のキャップを外す時は、「ガス」が噴くこともありますので、布等をキャップの上にかぶせてゆるめて下さい。尚、建浴する場合、規定量の水に、フジアセクリーンFE-17を徐々に混入して下さい。
  • オーステナイト系ステンレス鋼を数時間浸漬してもほとんど侵蝕・減量がありません。しかし、熱影響により組織が変化していると、孔食・侵蝕状態となりますから数時間処理液に浸漬する場合は30分ごとに処理物を点検して下さい。
  • 処理液中に銅・鉄・クロム等の異種金属が入りますと鈍黒色に溶解し、有毒ガス(二酸化窒素ガス)が発生して極めて危険であり、液の老化も早めますから異種金属の浸漬は絶対避けて下さい。
  • 処理物の表面に付着している油脂等のよごれがある場合は、処理面にムラが出来ることがありますから、処理前に洗剤や有機溶剤等で除去した後酸洗して下さい。
  • 浸漬槽には異種金属の混入により有毒ガスが発生する恐れがありますから排気装置を必ず設けて下さい。
  • 酸洗作業場は換気装置のある通風の良い場所とし、安全シャワー、手洗い、洗眼の設備をして下さい。 
  • 浸漬槽には毒劇物の表示をして、かつ雨水の入らぬよう蓋をして下さい。
  • 浸漬槽底部にスケールが溜まりましたらブロー弁より排出すると処理液は長持ちします。 
  • 鏡面研摩の光沢は処理液にふれると消滅します。
  • 切断による「ドロス」等は表面処理出来ません。 
  • 処理液を補給する場合は、FE-17の希釈液(3~5倍に希釈したもの)を補給して下さい。(FE-17は希釈しないと効力がありません。)
  • 労働安全衛生法「特定化学物質作業主任者」の講習修了者が必要です。

その他の注意事項

  • 肝臓及び肺に疾患をもつ人、又風邪等で体調不良のときは、作業を避けて下さい。
  • 作業に使用した保護具は水洗後、乾燥して変質、劣化、穴あき、ヒビワレ等がないか、又防毒マスクの吸収缶の交換等十分に点検をして保管下さい。

廃液処理方法(空容器も含む)

  • 弗化水素酸を含む毒劇物の為、都道府県知事の許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託して処理して下さい。

応急処置

  • 目に入った場合/直ちに流水で15分間以上完全に洗眼した後、速やかに眼科医の手当てを受けて下さい。(不完全だと眼に障害を生ずるおそれがあります。)
  • 皮膚に付着した場合/直ちに多量の水で完全に洗い流した後、速やかに医師の手当てを受けて下さい。(不完全だと皮膚に障害を生ずるおそれがあります。)
  • 吸引した場合/直ちに被災者を空気の新鮮な場所に移し衣類を緩め安静保温に努め速やかに医師の手当てを受けて下さい。
  • 飲み込んだ場合/水で口内を洗浄する。コップ2~3杯の水か牛乳を与え(しかし、意識のない患者には何も与えてはならない。又飲み込んだものを無理に吐かせると粘膜等を悪化させる。)速やかに医師の手当てを受けて下さい。

◎上記いずれの場合も医師に、当取扱説明書を示すか、ラベルに記載してある成分を伝えて必ず手当てを受けて下さい。又、万一の災害に備えて、事前に病院の指定とその病院との打合せをお勧めします。